
応援されることの力
人にとって、自分を応援してくれる人がいるということは、とても大切です。
例えば、スポーツでは「ホーム」と「アウェイ」で勝率が大きく変わります。
チームの本拠地で多くのファンの声援を受けて戦う「ホーム」では勝率が上がり、相手チームの本拠地で自チームのファンがほとんどいない「アウェイ」では勝率が下がる。
これは、応援の力がいかに大きいかを物語っています。
日本の選手が他国で試合をする場合も同じです。
相手国で試合をすれば、自分たちがピンチになるほど相手のファンは喜び、応援の声も大きくなります。
一方、ホームで試合をすれば、自分たちが活躍するたびにみんなが喜んでくれる。
この違いが、パフォーマンスに大きな影響を与えます。
人間の心は、能力を発揮する際に非常に大きな役割を果たすのです。
我が家は「ホーム」ですか?
では、あなたのご家庭はどうでしょうか。お子さまにとって、我が家は「ホーム」と言えるでしょうか。
もちろん、家族なのですから「アウェイ」というのは言い過ぎかもしれません。
しかし、自宅が心から励まされる場所、癒される場所と言えるかどうか
——そんな視点で改めて見つめ直してみることは、とても意味があると思います。
子どもたちも、私たち大人と同じように、厳しい現実と向き合いながら生きています。
学校という「戦場」で1日戦い、疲れ果てて帰ってくる子どもたち。
そんな子どもたちにとって、家庭が休息の場所であり、明日への活力を充電できる場所であってほしいのです。
応援と愛情のバランス
いつも応援してくれて、自分の可能性を信じてくれている家庭なら、きっと子どもは自分の力を存分に発揮できるでしょう。
疲れたり、落ち込んだり、くじけそうになった時に、癒され励まされる家庭なら、また明日からがんばろうという気持ちになれるはずです。
応援の仕方、励まし方、優しい言葉のかけ方は、家庭ごとに、お子さまごとに違います。
大切なのは、お子さまが「ここは自分の味方がいる場所だ」と感じられることです。
うっかり忘れてしまいがちなこと
私がよく気になるのは、「叱咤激励しよう」「このままでは将来苦労するよと伝えよう」という思いが強くなりすぎて、いつの間にかそういった言葉ばかりを子どもにかけてしまっているケースです。
しっかりしてきたように見えても、生意気なことを言うようになっても、子どもはまだ未熟で弱い存在です。
傷つきやすい心を持っています。
優しさと愛情を感じる中でこそ、叱咤激励や叱る言葉も心に響きます。
子どもの将来が心配だからこそ、愛情を伝えることをうっかり忘れてしまわないようにしたいものです。
家庭を「ホーム」に
子どもにとって学校は、時に戦場のような場所です。
1日戦って疲れ果てた子どもが、家庭で休息し、明日への活力を得られる。
——そんな「ホーム」でありたいと思います。
そして、それは子どもだけでなく、家族全員にとって大切なこと。
家族みんなにとって、我が家が「ホーム」と言える場所であるかどうか。
時々立ち止まって、考えてみる価値があるのではないでしょうか。
塾長 村木康太