子どもにとって学校とは時にはこんなに大変な場所でもあります。

お父さん、お母さんにとって、我が子が学校から通って帰ってきては好きなことをして遊びほうけている様子を見て、

「うちの子どもは本当にこんなにダラダラした生活をしていて大丈夫なのだろうか」

と心配になることも多いかもしれません。

ですが、子どもの立場になって考えた場合、実際はそうとばかりは言えないことも多いようです。

学校生活はある意味で子どもにとっては戦場でもあるとも言えます。

例えば、勉強が苦手で授業がわからない子どもにとっては、授業がわからないにもかかわらず教室で椅子に座り続けて先生の話を聞かなくてはいけない。

これはなかなか疲れることです。

がんばって勉強すればいいじゃないかという声もあるかもしれませんが、いったん勉強が苦手になって授業についていけなくなってしまっている状態から現在の授業がわかるまで勉強ができるようにまで努力することはそう簡単に「がんばれ」の一言で済ますことができるほど容易なことではありません。

子どもの生活においては、実は幼稚園や保育所の頃から既に相当に厳しい人間関係があります。

仲間はずれにされたり、いじめられたり、友達がなかなかできなくてずっと一人ぼっちだったりしていたりする子もいます。

良い人間関係を維持するために、あるいは仲間はずれをされない為に相当な努力をしている子どもも沢山います。

また勉強が苦手となるとテストのたびに劣等感も感じるでしょう。

友達がたくさんいたり、部活が好きな子どもはまだいいですが、友達もいない、部活も楽しくなくて苦痛ということになると、ただ学校に行って帰ってくるというだけでも、どれ程大変で疲れることか想像することは難しくないことだと思います。

学校でいじめられたり、暴力を振るわれたり、悪口をみんなの前で言われることもあるかもしれません。

大人になって暴力を振るわれたり(傷害罪)、悪口を言われた場合(名誉毀損罪)はすぐに警察に相談に行くこともできますが、子どもの場合はそうもいかないのが現実です。

場合によってはそれらのことを全部自分で「我慢」しなくてはいけなかったりもします。

子どもにとって、学校は時にはそういう場所でもあるということです。

「学校から家に帰って来たら何にもせずにいつもゴロゴロしているだけ。 」と見える子どもも、実は学校という非常に厳しい疲れる場所から帰って来てようやく一息ついている。そんなこともよくあることです。

時には一見ダラダラしているだけのように見える子どもに対しても

「今日も学校がんばってきたんやな。 」
「えらかったな。」
「お菓子でも食べるか。」
「学校楽しかったか。」

と、ねぎらいの声をかけてあげることがあってもいいかもしれません。

その結果、

「別に。」
「何もなかったけど。 」

というような答えが子どもから返ってきたとしても、それはそれで子どもにとってはその一言を、心では嬉しく受け取ってくれていることも多いです。


塾長 村木康太

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